幻の海|NAOYA OHKAWA
むしゃくしゃしていたのかなんなのか、頻繁に焚き火をした。 焚き火をするくらいしかやることがなかったと言ったほうが事情は伝わるかもしれない。 秋から冬にかけて、本当に色々なものを燃やした。 紙や、本や、木。 夕暮れがかった空に、パチパチと火の粉が舞い上がって、冷めて灰色になるのを眺めていた。
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