幻の海|NAOYA OHKAWA

遠巻きに眺めてみれば、いまいちどうやって自立しているのかわからない椰子に近寄る。
ごつごつしてはいるものの、滑らかな木肌が意外だった。
幹に沿って、上を向くと、一機のセスナが飛んでいた。
戦いに行くのだろうか、それとも楽しげな遊覧飛行の途中だろうか。

空は曇っていて、高級な画用紙を視界いっぱいに近づけたような白さだった。

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